夏休み前の試験も終わり、終業式を迎えていた。


夏休みに入ると、一年二年は殆ど実家に帰り、寮からいなくなる。

部活はあるが、運動部は体を鍛えるため、それ以外は学業の一環としてといった感じなので、さほど盛んではなく、休みに入ると活動しなくなる。


三年は、受験に向けて、希望者は学校で塾並の講習を受けられる。

しかも大学まであるが、レベルはかなり高く、高校から入っているとは言え、そう簡単に上がれないということもあり、
多くが、寮に残る。



生徒が学校に来るため、健も一応来なければならない。


健は窓に頬杖を付き、、煙草を吸いながら、大きな黄色い向日葵の花が沢山咲いている花壇をボンヤリ見つめ、大きく溜息をついた。


その訳は、夏休み学校に来なければいけないからではなく、矢萩に対する自分の気持ちに、漠然とではあるが、気付き始めていたからだった。

でも、認めたくない、納得いかない気持ちもあり
頭の中で糸がこんがらがるっているようだった。