それを聞いた健は、組んでいた両腕を膝の上に置いて少し前屈みになりながら

「今、矢萩が言ったことそのまま伝えればいいんじゃないの?
それがお前の正直な気持ちだろ?」

その言葉に矢萩の曇っていた表情がパッと明るくなり、

「そうですよね、
有り難うございました。

何か、先生にはいつも話し聞いて貰って、助けて貰ってばかりですよね。

何かプレゼントさせて下さい。」

ニッコリ笑って言う。
その笑顔を見て

「プレゼントならもう貰ってるよ
お前のその笑顔。

なんてな…」

言ってから、ヤバイまたクサイ事言ってしまったと、気恥ずかしくなり、
慌てて机に置いてあった煙草に火を点けると、立ち上がって窓の外に向かって煙を吐いた。