矢萩は、決意したように口を一文字にして、「うん」と小さく頷く様にすると、

「さっき生まれて初めて男の子から告白されたの。
『返事は直ぐじゃなくていいから考えておいて』って言われて、『はい』しか言えなかったんです。
先生、私どうしたらいいのか分からなくって…」

恥ずかしさと戸惑いが入り混じった顔を隠す様に、両手を頬に当て、大きく息を吐いていた。

その様子に、可愛いなぁという思いと共に、胸に微かな痛みを感じたが、直ぐに消えて無くなった…

「矢萩は、そいつに告白されてどう思った?」

そう質問してみると、少し考えてから

「こんな私を好きって言ってくれたのは、凄く嬉しかったです。
でも、全然話したことも無い、知らない人と行き成りは付き合えないです…」