それから皆が代わる代わる来て祝福してくれ、
楽しい時間を過ごし、
落ち着いた頃、健が立ち上がり、皆にお礼の言葉を述べた。

「今日は、忙しい中、そして暑い中、来て頂き、本当に有り難うございます。

チャラチャラしていた俺を、いつも心配していた
大事な親友、嘉藤静を亡くした向日葵が満開のこの季節に、
その親友の大切にしていた妹、ひまわりが夢を叶え、静が見守っているであろうこの場所で、どうしても結婚式を挙げて、幸せの報告をし、安心させたくて夏の『ペンションひまわり』を選びました。

俺の我が儘な願いを聞いて、この様な素晴らしい場を設けてくれた皆様に
心から感謝し、改めて凛と新しく生まれてくる家族を誰よりも幸せにしていくことを誓います。

今日は本当に有り難うございました。」

深々と頭を下げる健に、温かな拍手が降り注いでいた。

それを端の方で、洸に寄り添いながら笑顔の静の写真を抱え、「よかったね。」と涙ぐむひまわりの姿があった。