部屋に入るなり

「ほら、何時までもメソメソしない。」

そう言って、ハンカチで凛の涙を拭うやっちゃんに

「だって、だって…」

グスンと鼻を啜る凛。

そんな凛を見て、宥める様に顔を覗き込んで、
やっちゃんが

「あのね~、卒業しても大学同じで、学部が違っても同じキャンパス、幾つか重なる講義もあるし、顔合わすでしょ?」

その言葉を俯いて、ウンウンと小さく頷きながら聞いている凛。

やっちゃんの言う通り、大学はエスカレーターで、といっても難関を合格し同じで、学部は、将来検事を目指すやっちゃんが法学部、凛は、家の病院を継ぐ俺の手助けをしたいと言う理由から、医学部の看護科で違うが、
必修科目で幾つか同じものがある訳で、何時でも会える…