目をウルウルさせて頭を上下に大きく動かし、
再び『那智~!』と叫び抱き着こうとするアンタリア、
『だから~』と言いながら、両手でそれを防ごうとする那智さん。

さっきまで落ち着いた紳士だったのに…

二人の意外なやり取りに、凛と二人で目を見合わせて笑った。


因みに、アンタリアに送ったメールには
『初めまして凛とお付き合いしている穏雅健といいます。

一国の王である貴方の言葉が今回の事の原因となり、お嬢様である凛が危険な目に遭いました。
王の責任として、来ないわけにはいかないのではないでしょうか。

凛のお父様の貴方にご挨拶もまだですし、是非。

心よりお待ち申し上げております。

穏雅健より』

と書いた。

これは、恥ずかしいから俺と、凛のお父さんとの秘密にしておこう…。