最後に僅かに向けられた悲しみを湛えた視線が、健の脳裏に焼き付き、
複雑な思いで、連行されるアルゲネスの後ろ姿を見つめていた。

気付かないうちに力が入っていた肩で大きく息を吸い、フゥー吐くと、
一気に緊張が解れ、脱力感に襲われていると、
ポンと肩を叩かれ、顔を向けると

「行きましょうか。」

ニッと笑うタクが言った。つられて健も笑顔で

「そうだな。」

そう言って凛の運ばれた病院に向かった。