あの時、俺の中で何かが音を立てて崩れ落ち、
兄貴の代わりに俺が王位に就いてやろうと思った……

後は、あんたの言った通り兄貴に薬を盛って、
意識を朦朧とさせ、俺の服を着せて崖から突き落とし、そして兄貴に成り済まし、カイとして日本に来た。

上手くアンタと凛ちゃんを引き離す事が出来て、傷付いた凛ちゃんを慰めて、父親に会わせてあげると言ったら一緒に行くと言っていたのに、
アンタの事気にしてて、やっぱり行かないとか言い出したから、薬を使った…
上手く行くはずだったのにな…。」

話し終えると再び健に視線をチラリと向け、直ぐに前を向き歩き始めた。