『ふーん。』

何となく含みを持たせる様に言ったが、それ以上聞いてこなかったので、何時もなら突っ込んでくるのに…と不思議に思いながらも、その意味を深く考えずにいた…

那智さんに、自分が学校に来た事を知られたくないから、誰にも言わないでくれと頼まれていた。

理由は分からないが、プライベートな事の様だったので敢えて凛にも話さなかった。


その後も何度か怪我で運転出来ない那智さんの足代わりに車を出したが、凛が深く聞いてくることはなかった。

このことをどこかで安心していた。
那智さんとの事を、過去をどう説明したらいいのか分からなかったから…

そして、那智さんの怪我もすっかり治り、もう二人で会うことはないと思っていた。