椅子に腰掛け、煙草を吸いながら健は、出掛けた時に言っていた凛の話を思い出していた。


カイも自分と同じ様に、髪と瞳の色にコンプレックスを持っていること、そしてカイが初日に言っていた、『誰も知らないような小さな国の人の血が流れている。』の言葉に、小さい頃母親に一度だけ父親の事をきいたことがあり、その時
『父親は遠い誰も知らないような小さな国の王子様よ。』と微笑んで言っていた事を思い出したらしい。

母親の作り話だろうと思っていたから、
何か妙に親近感が湧いたのだそうだ。