放課後、開け放たれた保健室の窓から、
チラホラと見える桜の花びらと、心地良い春風に混じって遠くから聞こえる笑い声に懐かしさを感じながら、
健はのんびりコーヒーを飲んでいた。


早いもんだな、アイツらはもう大学生かぁ、
お互いの過去も、ひまわりの病も、二人で乗り越え今は夢に向かって歩き始めている…

卒業したら一緒になるようだし、
静、もう大丈夫だよな?

俺も安心してお役御免で、此処にいるのも後一年か…

一人物思いに耽っていると、勢いよくドアが開けられ、

「穏雅先生!助けて!」

サッカーのユニフォームを着た男子生徒が、制服の女子生徒を抱えて慌てて入って来た。