イジワルな君の甘い溺愛



「それは、まだ…」


「はぁ?ったく、トローい!」


呆れたように間宮さんは言った。


「こんな可愛い百合を振っておいてあんたたちがうまくいってくれないとか、超ムカつくから!」


ビシッと指を刺される。


「もう用も済んだみたいだし私帰る。あ、言っておくけど、百合の魅力がわからない弥生くんにはもう未練なんてないからね!」


「バイバイ」と、いつも通りの明るさで手を振った間宮さんは、軽快な足取りで階段を降りて行った。


私も行かなきゃ。


そう心に決めて、窓から刺す夕焼け空を見つめた。