弥生くんも私に気づいたのか、顔をこちらに向けた。 弥生くんに近づく一歩が、なぜか踏み出せない。 「こんなとこで何してるの…」 だから、少し距離を作ったまま、私は静かに聞いた。 「お前を待ってた」 「え…」 縮まらない距離をうめたのは、弥生くんの方からだった。