「谷本さんも昼休憩しっかりとって下さいね。」
蘭は和真に声をかけると早々と仕事場から出ていく。
小さな休憩部屋があり、そこでみんなは話しながらご飯を食べる。年配のおばさま方の笑い声が響いていた。
蘭は小さくなりながら、1番奥に空いている席に座り、お弁当を食べる。
蘭は忙しい母に代わって、昔から家事を手伝ってきた。なので、料理は得意だ。今は母と自分のお弁当を作ることが朝の日課になっている。
蘭はいつも空気のように存在感を消してご飯を食べる。
お金を稼ぎに来てるんだ。
誰かと仲良くしなくても、問題ない。
Ωということで、みんな蘭を馬鹿にしている。就職してから、ずっとこんな状態なので、今さらもう気にしなくなっている。
「大黒さん、今日、夜暇?」
おばさまの中のボスのような人に声をかけられた。
話を振られることはほとんどないので驚く。話しかけられる時は大抵蘭にとって良くないことだ。
「えっ・・・はい・。」
おばさま方4人に一斉に目を向けられて、肩をすぼめて、目線は斜め下を向く。
「今日さー、途中でコンベアが止まっちゃって、仕事中断になったのよ。でさ、私たちは主婦だから、家族のためにご飯作ったり、子どもの面倒で忙しいのよ。独身の大黒さんなら今夜予定ないわよね。だから、もし仕事片付かなかったら、あとお願いしてもいいかしら?
大黒さんは仕事よく休むでしょ。いつも代わってあげてるんだから、いいわよね?」
蘭のところのコンベアは止まっていなかったのだから、その間仕事をしていた。彼女たちはコンベアが止まってる間、話してサボっていたじゃないか。その埋め合わせは自分達でやるべきだ。ヒートで休むのだって決して休みたくて休んでるんじゃない。
「・・・分かりました。」
蘭は思ったことは言えず引き受けた。
またサービス残業になっちゃうな。
工場長はなかなか残業手当をつけさせてくれない。申請してもなにかと言い草をつけて断られる。
明らかにブラック企業だなと思っているが、Ωの蘭は新たな就職先を見つけることはなかなか難しい。無職になったらもっとお母さんに迷惑かけてしまう。
重い腰をあげて、作業場に戻り、午後からの仕事を取り組んだ。
蘭は和真に声をかけると早々と仕事場から出ていく。
小さな休憩部屋があり、そこでみんなは話しながらご飯を食べる。年配のおばさま方の笑い声が響いていた。
蘭は小さくなりながら、1番奥に空いている席に座り、お弁当を食べる。
蘭は忙しい母に代わって、昔から家事を手伝ってきた。なので、料理は得意だ。今は母と自分のお弁当を作ることが朝の日課になっている。
蘭はいつも空気のように存在感を消してご飯を食べる。
お金を稼ぎに来てるんだ。
誰かと仲良くしなくても、問題ない。
Ωということで、みんな蘭を馬鹿にしている。就職してから、ずっとこんな状態なので、今さらもう気にしなくなっている。
「大黒さん、今日、夜暇?」
おばさまの中のボスのような人に声をかけられた。
話を振られることはほとんどないので驚く。話しかけられる時は大抵蘭にとって良くないことだ。
「えっ・・・はい・。」
おばさま方4人に一斉に目を向けられて、肩をすぼめて、目線は斜め下を向く。
「今日さー、途中でコンベアが止まっちゃって、仕事中断になったのよ。でさ、私たちは主婦だから、家族のためにご飯作ったり、子どもの面倒で忙しいのよ。独身の大黒さんなら今夜予定ないわよね。だから、もし仕事片付かなかったら、あとお願いしてもいいかしら?
大黒さんは仕事よく休むでしょ。いつも代わってあげてるんだから、いいわよね?」
蘭のところのコンベアは止まっていなかったのだから、その間仕事をしていた。彼女たちはコンベアが止まってる間、話してサボっていたじゃないか。その埋め合わせは自分達でやるべきだ。ヒートで休むのだって決して休みたくて休んでるんじゃない。
「・・・分かりました。」
蘭は思ったことは言えず引き受けた。
またサービス残業になっちゃうな。
工場長はなかなか残業手当をつけさせてくれない。申請してもなにかと言い草をつけて断られる。
明らかにブラック企業だなと思っているが、Ωの蘭は新たな就職先を見つけることはなかなか難しい。無職になったらもっとお母さんに迷惑かけてしまう。
重い腰をあげて、作業場に戻り、午後からの仕事を取り組んだ。


