今日は蘭の持ち場が隣だった。

挨拶するとかえってくるが、それ以上の会話をさせないというように、目を背け、仕事の準備を始める。

前から声かけが多いタイプではなかったが、今日も頑張りましょうや大丈夫ですかなど優しい一言をくれていた。それにもっと話しかけてもいいよというオーラがあった。

今は全くない。

少し凹む気持ちを抑えて、仕事にとりかかる。

蘭を横目でみると少し汗をかいているようだった。

工場内は温度管理がしっかりしている。暑いなんてことはまずない。実際、和真自身も暑さなんて全く感じない。

もう少ししっかりみるとやや顔色が悪いように思う。

心配になるが、蘭も大人だ。
本当にしんどくなったら、自ら言うだろう。

そんなことを考え、作業を続ける。