あなたと運命の番になる

「蘭、今回重いよね?」

心配そうに見つめる陽菜に蘭は小さく頷いた。

「なにかあった?」

もちろんヒートはしんどいが、最近は少し楽になっている様子だった。
今回はなにか理由があるように思う。

「特に何もないよ。なんか少し重いだけ。」
蘭は目を合わすことなく答える。

「蘭!!
嘘つかないで、本当のこと言って。
何年親友やってると思ってんの。ばればれだから。
お母さんに心配かけたくないんだったら、お母さんには言わないから。ねっ!」

陽菜の優しさに目に涙がたまる。

「この前谷本さんのこと話したでしょ。
ヒート中、頭から離れなくて・・・


会いたくなって・・・

どうしようもない。



消そう消そうとするのにでてくるの・・。

私、そんな気持ちないと思ってた。
Ωに普通の恋なんて無理だし、相手に迷惑になっちゃうし。」

蘭はそう言って泣き出した。
ヒートはまだはじまったばかりだ、今は落ち着いているが、波があるのでまたしんどくなれば同じ状態になるだろう。

「好きになんて絶対ならない。



しんどくなるのは自分だから。



分かってたのに、気をつけてたのに・・。」

陽菜は蘭を強く抱きしめた。
陽菜の目にも熱いものがあふれる。
こんなのあまりにもかわいそうだ。


陽菜は泣き止むまで、抱きしめた。