あなたと運命の番になる

和真は近くに止めていた車まで戻る。

「蘭ちゃん、1人にしてごめんね。」

和真は蘭を心配そうに見つめる。

「大丈夫です!お気遣いありがとうございます。」

「スカート濡れちゃったね。そのまま着てると風邪ひくし、なんか替えになるもの買ってくるから、ちょっと待ってて。何かあれば必ず連絡して。近くで買ってくるだけだから。」

和真はそう言って、軽く走っていった。

蘭は今日起こったことを思い返す。
和真とは不釣り合いだとは分かっていたが、一緒にいると楽しくてランチに来た。

実際に和真との時間はとても幸せだった。

ただ、女性3人組に言われてハッとした。
こんな不格好な私が和真の隣にいていいはずがない。
和真はヤマシロという大企業の次期副社長、圧倒的なビジュアルにビジネススキル。将来有望な人だ。
反対に私はヤマシロの末端工場で働くさえない人だ。
しかもΩ。

Ωだと改めて思ってハッとする。
和真は‪α‬だ。一緒にいていいわけがない。
和真はヒートに対しても親切に対応してくれたし、‪α‬を感じなかったが、基本的に‪α‬とΩの恋愛はない。
Ωのヒートに‪α‬は耐えられないし、性欲に負けて肩を噛まれて、捨てられるのが関の山だ。

蘭は濡れたスカートを見て、涙がこぼれる。
和真と深く関わらないとあんなに強く思ってたのに、和真を前にすると自分の意志が砕ける。
もうこれ以上関わって、辛くなるのは自分だ。

蘭は涙をこすった手で、メッセージを書き、車を降りた。