「さゆが日本に来た時、〝ついにこの時が来たんだ〟と思った。父さんの封印が解けたんだって。父さんを、消す時がきたんだって……。
でも、さゆが父さんを信じてくれた。
父さんが父さんに戻るきっかけを、作ってくれた。
本来であれば、どんなことがあろうと俺が父さんを消すべきだったのに……心のどこかで、この結果にホッとしている自分がいるんです。
裏切るような事をして、本当にすみません」
「……ッ」
初めて聞く、王史郎の本音。
今まで気丈に振る舞っていたけど……モクの息子である王史郎が、何も思わないわけないじゃん。自分の父親を消すなんて、内心は傷ついたはず。
私は画面の写らないところで、王史郎の服を引っ張る。
これ以上、自分を責めないでほしかったし、私もこの結果が一番良かったって思っているから。
だから――
「謝らないで、王史郎」
「さゆ……」
するとお母さんも、画面の中で頷く。
『そうよ、謝らないで王史郎くん。あなたは何も悪くない。むしろ、ここまでさゆを守ってくれて、本当に感謝しているの』
「……そんなことないです、俺は」
「ううん、王史郎はスゴイよ!本当に、カッコイイんだから!」



