『やるぞ』
『……わかった』
王史郎が私の腕に噛みつき、吸血する。イオくんは再び光を出して、治癒を行った。
その様子を満足げに見る者――モクだ。
『ふふ』
『今……、さゆ⁉』
父親の不気味な笑い声が聞こえた王史郎。だけど私の体が発光したことにより、父親から意識が逸れる。
「さゆ!」と、王史郎が私の名前を何度も呼ぶ。
『さゆ、おい、さゆ!』
『王史郎!さゆ、息してるよ!』
横になった私の胸が、規則的に上下し始める。それを見て、二人は安堵の息を漏らした。
かなり力を使ったのか、イオくんはその場に倒れ込む。
『さゆ、助かったんだ……』
『あぁ……』
ホッと安堵したのも、つかの間。
二人にとって本当の試練が訪れるのは、ここからだった。
『待て、イオ……何か変だ!』
『さゆの体が、赤く光ってる?』
私の体――特に心臓あたりが、赤く発光する。眩しさはどんどん増していき、次第に目を開けていられなくなった。
そして赤い光がひときわ強く光った後、一つの物を残して消える。
残った物は、桜の花ほどの大きさをした「赤い宝石」。宝石は姿を見せた後、ゆっくり私の体に沈みこんだ。



