その時。
私たちの声を聞いたイオくんが、部屋から現れる。
「王史郎、さゆ!」
ケガした私の姿を見たイオくんが、驚いて言葉を失う。久しぶりに会う父親には目もくれず、素早く私たちの元へ駆けよった。
「さゆが切られた、治癒してくれ」
「けっこう深いから、治癒する時間が長くなるよ?その分、俺は参戦できないけど……」
「大丈夫だ、こっちは俺一人で何とかする」
「〝何とかする〟って……」
王史郎は、既にボロボロといってもいい。
対して、かすり傷一つないのがモクだ。
火を見るより明らかな実力差に、イオくんの横顔に冷や汗が流れる。
だけど「なに心配してんだ」と。王史郎は、踊り場や階段が埋まるほど青い宝石を出す。そして瞬く間に、大量の武器を生成した。
「俺は最強吸血鬼・アオイシだぞ。勝つに決まってる。それに……ここでさゆを助けられなかったら〝九年前の二の舞〟だ。絶対に助けてくれ」
「……わかった」



