「頼むから無茶するな。お前が傷つくのは、嫌だ……」
「王史郎……」
可能性はゼロだと思うけど「泣いてるの?」って聞きたくなるくらい――それくらい、王史郎の切羽詰まった声。
「ねぇ、王史郎……」
キュッと。私を抱きとめる王史郎の手に、自分の手を添える。
「昨日は……ごめん。あとオムライス、ありがとう」
「なんだよ、そんなこと、」
「王史郎に会ったら、一番に言いたくて……。嬉しかったの」
「……っ」
背中の傷が、ドクドク脈打っている。
私が思っているよりも、たくさん血が出ているのかな?ひょっとして、私、死んじゃう?だから王史郎も、こんなに悲しそうな顔してくれてるの?
……やだな。
ねぇ王史郎、私はね。
王史郎に怒った顔でも、悲しそうな顔でもなくて。ただ笑顔でいてほしいんだよ。
「だから笑って、王史郎……」



