夏のような暑さも、夜までは続かない。
半袖に空気が肌寒い。



壮介は車の窓を開けると、駅のロータリーを見渡した。


人影は少ない。
まだ来てないみたいだ。

煙草をくわえると、無造作に火を点ける。



棚引く煙の先には、薄曇りの空が見えた。星は出ていない。

明日はたぶん、雨だ。

壮介は、ため息をついた。最近は癖になっている。仕事がうまくいかなくなってからは、何もないときにでも、自然と漏れる。