海と少女

こいつも、あたしがよそ者だから警戒してるのかな?

確かによそ者だけど。


「イカください」


「はいよ」


発泡スチロールに並べられたイカは、とれたままの形をしてすごく大きい。


「うわっ、どうしよ…」


「どうした?」


「あたし、こんなの料理できない」


男は困った顔をしてこちらを見た。


「さばいてやるよ」


「え?本当!」


「大根と炊くのか?」


あたしの手の大根を見て言う。


「ウン」