海と少女

ガリガリにやせてる
おじいさん…

目ばかり
ギョロギョロしてる…


「……」


その老人は、腰をぬかして座りこむあたしたちをじっと見た。



「オマエらか、
 今日来る予定だったのは」


「ハイ、そうです…」


「そのカギは使えんよ、
 壊れたんで
 変えておいたんじゃ」



そう言って老人は、新しいカギを差し出した。



「ワシはここの監理を
 頼まれておってな」


老人の顔には
たくさんの深い
シワが刻み込まれてる。