三角巾を被ったアユラ、腕まくりをして精気に満ちた表情だ

「よし、今日はカレー作るぞ。ダディ驚かせてやろう」

冷蔵庫を睨みつけて野菜室を開き漁り始めた

「にんじん、じゃがいも、たまねぎと、お肉お肉は・・うーん鶏肉でいいか。あとはうーん、果物?とりあえず桃入れておこう、よし」

調味料の選定に移り大好きなソレを用意した

「ダディが作るといつも辛いから、これを入れて、よしOK!」

玄関のドアが開き、父帰宅

「ただいま」
「ダディ、おかえり!ご飯できてるよ!」
「おーアユラ。カレー作ってくれたのか!ありがとう。うまそうだな」
「すぐ食べる?それともお風呂にする?それとも」
「またドリフ見てたのか」
「あいーん」
「よし食べよう」

父は背広を脱いで2人掛けの食卓に腰掛ける
正面に娘が座った

「いただきます」

父は微笑んで一口やって、唇を再び開いた
「うまい」
娘は破顔一笑して一口した
「あまい」

冬天の折
蝋梅の木々が豊かに時を迎えていた
幾手にも分かれた枝の先々で淡い黄色が咲き誇る。中央部をマゼンタが主張してその存在を確と示していた

アユラの人生に甘系カレー極みの枝が通った

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