お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜

タクシーの中で、ようちゃんに向かっているとLIMEを送り、ルームナンバーを教えてもらった。

車窓からは店舗の華やかなクリスマスディスプレイが見え、行き交う人々は楽しそうだ。そんな人たちと今の自分を比べ、さらに暗い闇へ落ちていく気がした。

渋滞もなく、程なくしてタクシーは銀座のホテル『キャッスル』に到着。




エレベーターで12階のボタンを押し、ドアが閉まると安心したのか、涙が溢れ出した。

ようちゃんの部屋をノックすると、明るい彼女の声とともにドアが開く。泣いている私を見た彼女は、何も言わずに手を取って部屋の奥へと連れて行ってくれた。私が落ち着くまで、幼い頃と同じように抱きしめてくれる。

落ち着きを取り戻してソファーに座ると、ようちゃんが口を開いた。


「ごめんね、久しぶりに帰ってきたのに……」

「何を謝ってんのよ? 気にしないの! それより、話したい気分? それとも、やけ食いしたい気分? 両方いっぺんにするのもいいね」


思わず笑ってしまった。ようちゃんはやっぱり昔のままだ。

最近あまり食欲がなかったが、彼女と会って安心したせいか急にお腹が空いてきて、ルームサービスを頼んだ。ビーフカレーとナポリタン、約15分かかるとのことで、私たちはホテル近くのコンビニへ。アルコール類、スナック菓子、スイーツ、そしてなぜかジップロックバッグを調達した。

ちょうど夕食も運ばれてきて、久しぶりに二人だけの女子会が始まった。夕食を分け合いながら、こんなに大笑いしたのはいつぶりだろうというくらい楽しい時間を過ごした。

ふと、隣に無造作に置かれたケータイのライトが点滅しているのに気がついた。膨大な数のメッセージと着信--雅さんだけでなく、圭衣ちゃんやすーちゃんからも。一気に現実に引き戻された私が無口になっていると、ようちゃんが言った。


「話はいつでも聞けるよ」