会議室に入ると、社長、副社長、父さま、圭衣ちゃん、涼介先生、そしてもう一人の知らない男性が。
父さまより少し年上のようで、優しそうな方。
私と目が合った涼介先生が立ち上がり、こちらに歩いてくる。
「本当に申し訳ないことをした。謝って済むとは思わないが。私の浅はかな指示で、花村さんを傷つけた。すまなかった」
涼介先生は私の前で頭を下げる。
「涼介先生、頭を上げてください。きっと先生には、訳があったんだろうって」
「どんな理由があっても、被害者である君を傷つけたことには変わりない。佐藤麻茉に対する法的措置と警察への被害届を、私に担当させてほしい。もちろん、弁護士料は不要だ。こんなことで償えるとは思っていないが、私にできることはこれくらいだから」
この後、優しそうな男性からも謝罪を受けた。実は、涼介先生のお父様である伊集院圭介先生は、父さまの会社の顧問弁護士と知る。
私は社長と父さまの間に座らされ、何が始まるのか分からず不安になる。
思わずいつも癖で、左手で服の上からネックレスのチャームを握ってしまう。
「美愛ちゃん、みんながいるから大丈夫だよ」
左隣にいる社長が優しく微笑んでくれた。
ドアがノックされ、入ってきたのは頭が少し?--いやかなり寂しい男性と……佐藤麻茉さん。
彼女を見た瞬間、思わず息を飲み、次第に身体が少し震え始め、手足の感覚が失われていくのを感じた。
私の震えに気づいた社長が、そっと囁く。
そして、指を絡めて私の手を優しくつないだ。
「美愛ちゃん、左手で俺と手を繋ごう。みんなで美愛ちゃんを守るから、ゆっくり呼吸しよう」
私の前の席に座った二人。最初に男性が、私に向かって謝罪をした。
「私は麻茉の父、佐藤敏夫です。この度は、愚女の麻茉が、大変ご迷惑をおかけいたしました。申し訳ございません」
父と名乗ったその人は座ったまま深く頭を下げたが、当の麻茉さんは不満そうにそっぽを向いている。
父さまより少し年上のようで、優しそうな方。
私と目が合った涼介先生が立ち上がり、こちらに歩いてくる。
「本当に申し訳ないことをした。謝って済むとは思わないが。私の浅はかな指示で、花村さんを傷つけた。すまなかった」
涼介先生は私の前で頭を下げる。
「涼介先生、頭を上げてください。きっと先生には、訳があったんだろうって」
「どんな理由があっても、被害者である君を傷つけたことには変わりない。佐藤麻茉に対する法的措置と警察への被害届を、私に担当させてほしい。もちろん、弁護士料は不要だ。こんなことで償えるとは思っていないが、私にできることはこれくらいだから」
この後、優しそうな男性からも謝罪を受けた。実は、涼介先生のお父様である伊集院圭介先生は、父さまの会社の顧問弁護士と知る。
私は社長と父さまの間に座らされ、何が始まるのか分からず不安になる。
思わずいつも癖で、左手で服の上からネックレスのチャームを握ってしまう。
「美愛ちゃん、みんながいるから大丈夫だよ」
左隣にいる社長が優しく微笑んでくれた。
ドアがノックされ、入ってきたのは頭が少し?--いやかなり寂しい男性と……佐藤麻茉さん。
彼女を見た瞬間、思わず息を飲み、次第に身体が少し震え始め、手足の感覚が失われていくのを感じた。
私の震えに気づいた社長が、そっと囁く。
そして、指を絡めて私の手を優しくつないだ。
「美愛ちゃん、左手で俺と手を繋ごう。みんなで美愛ちゃんを守るから、ゆっくり呼吸しよう」
私の前の席に座った二人。最初に男性が、私に向かって謝罪をした。
「私は麻茉の父、佐藤敏夫です。この度は、愚女の麻茉が、大変ご迷惑をおかけいたしました。申し訳ございません」
父と名乗ったその人は座ったまま深く頭を下げたが、当の麻茉さんは不満そうにそっぽを向いている。



