お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜

いつもより少し早く目が覚めた。

美愛ちゃんと暮らすようになってから睡眠の質が向上したが、今朝は一段と目覚めが良く、疲れも感じない。きっと昨晩、彼女を抱きしめて眠ったからだろう。

安心しきって俺の腕の中で眠る彼女が愛おしくて、思わず頭頂にキスをした。彼女は俺の胸に頬を寄せて擦りつけながら、片腕を背中に回して抱きついてきた。

起きそうな気配がする。このまま寝たふりをして、様子を観察することにしよう。彼女の顔が俺から離れ、一瞬息を呑んだようだ。

美愛ちゃんはたまに、心の声が漏れることがある。


「えっ、え--、どういうこと? なんで雅さんのベッドで一緒にいるの? 覚えていない、覚えていない。今動いたら、雅さんを起こしちゃうよね? どうしよう。でも、もう少しこのままでいたいな。お願い、もう少しだけ」


そう呟きながら、彼女は再び俺の胸に頬を寄せてきた。

この呟きは、彼女も俺に気があると受け取っていいのだろうか。こんなに可愛いお願いをされたら、抱きしめているこの手を緩めることができない。

いつまでもこのまま抱きしめていたいが、そろそろ起きなければならない。今日は涼介の事務所に行く必要がある。俺の計画を実行し、今日ですべての決着をつけるつもりだ。

さてと、そろそろ起きたふりでもしようか。


「ん~、美愛ちゃん。おはよう」

「お、おはようございます。雅さん、あの……」


腕の力を強め、少し意地悪して耳元で囁くと、彼女の体がピクッと反応するのを感じた。

ふーん……美愛ちゃん、耳が敏感なんだ。

彼女は何とかして俺の腕からすり抜けようと奮闘している。もう少しじゃれ合っていたかったが、腕を緩めて彼女を解放してあげた。

支度を終えてキッチンに入ってきた彼女に、今日は俺の車で一緒に出勤し、帰りも一緒に帰ることを告げた。同居の契約通り、他の人に見られることを避けるために彼女は拒否しようとしたが、本音を言えば、もう他人に見られようがどうでもいい。それより、今夜彼女と話し合わなければならない。




マンションから車で数分のサクラスクエア、オフィス側の地下駐車場に着いた。美愛ちゃんは南エレベーターへ向かい、俺は北エレベーターで涼介の事務所へ向かった。

事務所には涼介はもちろん、慶智の王子たち、涼介の父の圭介叔父さん、さらにジョセフさんと圭衣ちゃんも揃っていた。

佐藤親子が来る前に、最終的な計画について話し合った。まず涼介、俺と大和が佐藤親子と会議室で協議する。耳に見えにくいインカムを装着して、別室とのやり取りも行う。

初めに佐藤麻茉の解雇処分、俺たちの店舗への出禁、鈴音ちゃんへの傷害事件、そして最後に美愛ちゃんの件について話す。佐藤麻茉が反省して謝罪するのであれば示談も考えるが、そうでなければ法的措置を取る--佐藤麻茉に与える最後のチャンスだ。