お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜

私はどうすればいいのかわからなかった。


「娘の麻茉さんは、まったく反省していないようですね」


初めて聞く涼介先生の冷ややかな声に驚いてビクッとしたが、社長が私の手をしっかりと握ってくれた。


「大丈夫だから」


隣の社長が私に囁いた。


「今朝説明した通り、あなたには反省する機会を与えるためにこの数時間を過ごしてもらいましたが、それが謝罪する人の態度ですか? 

そのような態度を続けるのであれば、先ほど決めた通り、法的措置と警察への被害届を提出します。その上で、私の妻に対する傷害についても、警察に被害届を提出し法的措置を取ります。

お忘れなく--あなたは株式会社『Bon Bon』から懲戒解雇されたこと、この用紙に記載されている施設から出入り禁止となっていることを。一度でもこれを破れば、それに対しても法的措置を取ります」


涼介先生の鋭い視線を受け、麻茉さんの父親は落胆のあまりため息を漏らした。


「どうか示談で解決できませんか? お願い申し上げます」

「ご冗談を! 交渉期間はすでに過ぎています。あなたの娘の態度を見て、よくも示談と言えましたね。麻茉さんは、花村さんとの事実関係がまったくないことを広めた上に、謝罪もない。本人がこれでは、法廷に行ってもらうことになります」

「麻茉、お前というやつは!」


佐藤敏夫さんは苦虫を噛み潰したような表情で、麻茉の頭に手を添えて無理やり頭を下げさせた。最後にもう一度謝罪し、ブツブツと文句を言う麻茉さんを連れ帰った。

親にとっては示談で解決したかったのだろう。たとえそれがどのような子供であっても。ここにいる皆が、私を守ってくれた。

この後、涼介先生にこの件を依頼する手続きで書類に署名と押印をした。印鑑はこのために必要だったのだ。

父さまが帰り際に抱きしめてくれた。


「これで心配はない。雅君がすべて計画してくれた。彼は美愛のことを本当に大切に思っている。そのことが、私にも伝わってきたよ」


父さまはなぜか少し寂しげに微笑んでいた。
圭衣ちゃんは意味ありげな表情を浮かべながら私を抱きしめ、こっそりと教えてくれた。


「これで一安心。それに、美愛ちゃんの夢ももうすぐ叶いそうね。私も忙しくなりそう!」


えっ……どういう意味?




その後、雅さんと一緒に帰宅した。下の『スーパー伊乃国屋』でローストビーフサラダとカニのトマトクリームソースペンネパスタを調達して夕飯にした。

今日は朝から食欲がなく飲み物だけで過ごしていたが、この後にある雅さんとの話が気になって、やはりあまり食べられなかった。

夕飯後、リビングのソファに隣同士で座り、雅さんが話し始めた。


「まず、昨日のことを。本当に申し訳ないことをした。涼介と同様に、いくら謝罪しても済まされないとも承知している」


頭を下げる雅さんを止めた。すると彼は、私に尋ねてきた。