お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜

涼介も交えて四人で、これまでの経緯を話し合った。

まず、俺が詰問して被害者の美愛ちゃんを傷つけたことも伝え、謝罪する。そして、涼介も私情を持ち込んだ浅はかな指示が美愛ちゃんを傷つけたことについて、圭衣ちゃんと俺に謝罪した。

圭衣ちゃんはかなりのシスコンだと久美子さんから聞いていたので、俺たちは罵倒を浴びる覚悟をしていた。しかし彼女はいたって冷静に俺たちの話を最後まで聞いてくれ、何かをじっと考えている様子だ。


「まずは、美愛ちゃんの身の潔白を証明する証言ですね。録音するべきか、書き残した方が良いのかしら?」


涼介が対応する。


「証言を録音し、こちらで文書に起こしますので、署名をお願いしたい」


彼女はうなずいた。


「わかりました。ただし、条件があります。お話によると、あなた方七人は共同で佐藤親子と三光銀行との関係を断つことを目的としているのですね。私が証言をする代わりに、あなた方の仲間に加えていただけないかしら?」


状況がつかめず、俺たちは顔を見合わせた。圭衣ちゃんは説明を続ける。


「佐藤麻茉は、私のお店でもいろいろと問題を起こしているのよ。店員たちを罵倒したり、サイズの合わない服を無理に試着して損傷したり。注意の警告書はもう3回出しているけれど。

はぁ、あの子の母親も常識がないらしくて。『うちの主人は三光銀行ミッドタウン支店の支店長なのよ。私たちがここで買い物をしてあげるんだから、感謝しなさい』と言われたわ。あの親子、ちょっとおかしいわよ。私からの要求は、佐藤一家を『Cool Beauty』の全店舗から出禁にすること。

それと、美愛ちゃんに対する誹謗中傷の社内メールについてですが、法廷に持ち込むための証拠はありますか?」


「ある。君が欲しいものを提出してくれるなら、君の要求を受け入れよう」


涼介は圭衣ちゃんと握手を交わした。


「その前に、美愛ちゃんの件は父にも知らせておかないと。これを知ったら、父も三光銀行とは手を切るかもしれない。銀行にダメージを与えるのであれば、人数が多い方がいいのかしら? 私の会社も一緒に三光銀行との関係を断つこともできるけれど?」


「そうした方がかなりの痛手を負うだろう。俺たち七人の家族--計五家族とその会社だからな。もしそちらも加わるのであれば、ダメージはさらに大きい」