やっぱり、この同居には無理があったのかも?
悲しいな、疑われてしまったの。
淋しいな、雅さんと離れるの。
気がつくと、マスターが湯気の立つココアのカップをテーブルに置き、まだ一口も飲んでいない冷めてしまった紅茶のカップを下げていた。
「少しでも心が温まるといいな」
マスターはそう言って、優しく私の頭を撫でてくれた。
泣きながらカップを手に取り、温かいココアを飲む。濃厚なチョコレートと生クリームに私の涙が混ざったココアは、今まで飲んだ中で一番心をほんわかさせてくれた。
ココアを飲み干す頃には、涙もすっかり止まり、時間は7時をとっくに過ぎ、もうすぐ8時になる。
慌ててお会計をしようとしたところ、ママさんに抱きしめられた。
「辛かったり、悲しくなったらいつでもおいで」
止まっていたはずの涙が再び溢れ出す。ママとマスターはお金を受け取らない。
「もう遅いから、気をつけて帰ってね」
優しい笑顔の二人に送り出された。
商店街を通り抜け、そのまま裏通りを進むと、マンションの近くにある小さな公園が見える。
滑り台とブランコしかないこの公園のベンチに座り、左手で大切なネックレスに触れる。
そして私の王子様であるお兄ちゃんにそっと心の中で語りかけた。
雅さんとどのように接すればいいんだろう?
引っ越そうかな?
このまま離れるのは嫌だけど、また冷たい声で話しかけられるのはもっと嫌だ。
社長に嫌われるのが嫌なのか、社長と離れるのが嫌なのか? それとも、雅さん?
あぁ、私、雅さんのこと……どうしよう、お兄ちゃん。
どうすればいいの?
悲しいな、疑われてしまったの。
淋しいな、雅さんと離れるの。
気がつくと、マスターが湯気の立つココアのカップをテーブルに置き、まだ一口も飲んでいない冷めてしまった紅茶のカップを下げていた。
「少しでも心が温まるといいな」
マスターはそう言って、優しく私の頭を撫でてくれた。
泣きながらカップを手に取り、温かいココアを飲む。濃厚なチョコレートと生クリームに私の涙が混ざったココアは、今まで飲んだ中で一番心をほんわかさせてくれた。
ココアを飲み干す頃には、涙もすっかり止まり、時間は7時をとっくに過ぎ、もうすぐ8時になる。
慌ててお会計をしようとしたところ、ママさんに抱きしめられた。
「辛かったり、悲しくなったらいつでもおいで」
止まっていたはずの涙が再び溢れ出す。ママとマスターはお金を受け取らない。
「もう遅いから、気をつけて帰ってね」
優しい笑顔の二人に送り出された。
商店街を通り抜け、そのまま裏通りを進むと、マンションの近くにある小さな公園が見える。
滑り台とブランコしかないこの公園のベンチに座り、左手で大切なネックレスに触れる。
そして私の王子様であるお兄ちゃんにそっと心の中で語りかけた。
雅さんとどのように接すればいいんだろう?
引っ越そうかな?
このまま離れるのは嫌だけど、また冷たい声で話しかけられるのはもっと嫌だ。
社長に嫌われるのが嫌なのか、社長と離れるのが嫌なのか? それとも、雅さん?
あぁ、私、雅さんのこと……どうしよう、お兄ちゃん。
どうすればいいの?



