今……トイレの個室で、声を抑えて泣いている。
どれくらいここにこもっているのだろう。まだ勤務中なのに、いつまでもこうしている訳にはいかないとわかっている。それでも、大粒の涙を止める術を知らずにいた。
雅さんとの同居生活は、思った以上に穏やかで心地よかった。少しずつお互いのことも知れて、上手くいっている--そう感じていたのは、私だけだったのかもしれない。それを思い知らされたのは、たった30分前に起きたことがきっかけだった。
水曜日の今日。午前中は来客があり忙しかったが、午後になって通常業務ができるほど落ち着いてきた。
コピー用紙をもらうために総務部へ向かう。胸の奥に、一抹の不安を抱えながら。
ここしばらく、佐藤麻茉さんをできるだけ避けるようにしているからだ。あの強烈な出会いと彼女からの罵声は、思い出すだけで体に嫌な緊張感が走る。
総務部をそっと覗くと、運よく彼女はいなかった。いつも雑談をする総務のおばちゃんこと石田さんが、素早く駆け寄ってきた。
「あっ、美愛ちゃん、ちょっとちょっと」
石田さんは私を人目のつかない角へと招いた。
「今日の午後、これが社内メールで送られてきたのよ。私の周りの席の子にも来ていたみたい。美愛ちゃん、何か送られてきた?」
「先ほど社内メールをチェックしましたが、何も届いていませんでした」
眉をひそめ、周りを警戒しながら小声で話し始めた石田さん。
「やっぱり。なんとなく嫌な予感がしたから、一応メールをコピーしておいたの。社長に報告したほうがいいと思うよ。私たちはメールに書かれていることを信じていないけれど」
そう言いながら、半分に折った紙を手渡してくれた。
どれくらいここにこもっているのだろう。まだ勤務中なのに、いつまでもこうしている訳にはいかないとわかっている。それでも、大粒の涙を止める術を知らずにいた。
雅さんとの同居生活は、思った以上に穏やかで心地よかった。少しずつお互いのことも知れて、上手くいっている--そう感じていたのは、私だけだったのかもしれない。それを思い知らされたのは、たった30分前に起きたことがきっかけだった。
水曜日の今日。午前中は来客があり忙しかったが、午後になって通常業務ができるほど落ち着いてきた。
コピー用紙をもらうために総務部へ向かう。胸の奥に、一抹の不安を抱えながら。
ここしばらく、佐藤麻茉さんをできるだけ避けるようにしているからだ。あの強烈な出会いと彼女からの罵声は、思い出すだけで体に嫌な緊張感が走る。
総務部をそっと覗くと、運よく彼女はいなかった。いつも雑談をする総務のおばちゃんこと石田さんが、素早く駆け寄ってきた。
「あっ、美愛ちゃん、ちょっとちょっと」
石田さんは私を人目のつかない角へと招いた。
「今日の午後、これが社内メールで送られてきたのよ。私の周りの席の子にも来ていたみたい。美愛ちゃん、何か送られてきた?」
「先ほど社内メールをチェックしましたが、何も届いていませんでした」
眉をひそめ、周りを警戒しながら小声で話し始めた石田さん。
「やっぱり。なんとなく嫌な予感がしたから、一応メールをコピーしておいたの。社長に報告したほうがいいと思うよ。私たちはメールに書かれていることを信じていないけれど」
そう言いながら、半分に折った紙を手渡してくれた。



