お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜

今日の昼、大和に無理やりローテーブルの椅子に座らされ、花村さんを含めた三人で昼食をとった。

後から聞いた話だが、忙しさのあまり食事をとらない俺を心配した彼女が、大和に相談したらしい。確かに忙しいこともあったが、俺には夢中になると食事を忘れて突き進む癖がある。それを知っている大和が、彼女におにぎりを作ってもらったというわけだ。

おにぎりの中身は俺の好きな鮭と昆布。他にもおかず、豚汁、お稲荷さんまで用意してくれていた。おかずはすべて一口サイズ。ここでも彼女のさりげない気遣いが、嬉しい。

ほんのり甘い卵焼き。
シンプルな塩胡椒で味付けしたアスパラの肉巻き。
ピリ辛で食欲をそそる蓮根のきんぴら。
茹で加減が絶妙なブロッコリーと彩り豊かなプチトマト。

久しぶりに本格的な食事を、夢中になって食べた。

デザートにはプチシューと洋梨。コーヒーばかり飲んでいるせいか、レモングラスのハーブティーも入れてくれた。胃に優しいと聞いたことがある。やはり彼女は料理が上手で、優しい味--まさに俺好みの味付けだった。

しかしこの時、また大和が妙な提案をした。毎日仕事が終わった後に、花村さんが俺の晩飯を作るというのだ。

待てよ、俺に何の相談もなしに勝手に決めるな。

確かに、おばあちゃんが辞めてからまだ誰も雇っていないし、雇いたくもない。家事代行サービスからの打診もすべて断ってきた。若い女性であることが影響している。

不思議なことに、花村さんならいいかもしれないという気持ちが頭をよぎり始めた。でも、彼女の意見を聞かずにいきなり決定することはできない。

しばらく考えていた花村さんが、口を開いた。


「仕事帰りでは……時間的に無理なので……」


やはりそうだよな。しかも上司に言われたら、断るのは難しいだろう。

それでも、少し落胆している自分がいたのは否めない。