お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜

社長は、高齢の家政婦さんが辞めたことと、プロジェクトが急速に進み、食事が疎かになっていると説明を加えた。


「私のメリットは、美愛さんが作る食事と健康管理です」

「しかし、美愛はまだ22歳であり、男性と一緒に住むのは早すぎ……」


父さまを遮ったのは、もちろんウキウキしている母さまだった。


「まあ、あなたはお忘れ? 美愛ちゃんはもう22歳よ。それに、22歳の医学生だった私に、有無を言わせず同棲を始めさせたことを?」


初めて聞く両親の過去に驚く私を見て、母さまはにんまりと細く微笑んだ。

あっ--何か企んでいる顔だ!


「い、今その話を持ち出すのは……」


焦る父さまにさらに追い打ちをかけるように、母さまが再び絶妙なタイミングで遮った。


「ひどいわ、私のことを軽んじていたのね? 娘は大切だけど、私はそうではなかったのね?」

「ち、違う、違う! 私がこんなにもずっと君を愛していることが、わからないのか?」


父さまは、隣に座っている母さまを強く抱きしめた。その時、母さまが私たちに向かってそっと指でオーケーサインをし、微笑んでいるのを見逃さなかった。

母さまの勝ちだ。

今でもラブラブな二人だが、母さまの方がいつも一枚、いや三枚は上手だと思う。

こうして無事に--? 
両親の了解を得て、ついに明日は引っ越しだ。

その後、雅さんも交えて夕食をいただいた。あんなに気難しい顔をしていた父さまも、雅さんと笑いながら話をしている。私は実家に泊まり、翌朝、雅さんが車で迎えに来てくれて、一緒にアパートへ向かうことになった。