副社長のお昼は、コンビニで購入したおにぎりと唐揚げだった。
「あの副社長、おかずをたくさん持ってきたので、よろしければ」
「えっ、マジ? ありがとう!」
目の前の二人のイケメン御曹司が、黙々とおにぎりとお稲荷さんを頬張っている姿は、何とも可愛らしい。
食後には、さっぱりとした胃に優しいレモングラスのハーブティーとともに、プチシューと洋梨をいただく。
一息ついた社長にお礼を言われた。
「花村さん、昨日のサンドイッチもありがとう。久しぶりにちゃんとした食事にありつけた。どれも美味しかった」
「お口に合ってよかったです」
「美愛ちゃん、これを全部作ったの?」
副社長はプチシューをつまみながら聞いてきた。
「はい、でも晩ごはんの残りもあるので、すべて今朝作ったわけではありません」
「それでもすごいね。僕、感心したよ」
「花村さんはいつ料理を覚えたの?」
ハーブティーのカップをローテーブルに置きながら、社長が尋ねる。
「手伝い始めたのは小学校の頃からです。母は各国のレディースクリニックで働いていたため、シッターさんと一緒に夕食を作っていました」
「あっ、いいアイデアを思いついた! 美愛ちゃんさ、雅のところで料理を作ってくれない?」
「は?」
「えっ?」
唖然としている私と社長をよそに、副社長は話を続ける。
「こいつの所で料理をしていたおばあちゃんが、年齢のために辞めてしまったんだよね。それに、忙しいと雅は食べなくなってしまうし。仕事帰りはどう?」
「おい、大和。花村さんにも都合があるだろう。無理に押し付けるな」
「でも、おばあちゃん以降、何人断ったの? 美愛ちゃん以外にはもういないと思うよ」
「お前はすぐにそうやって」
「ね、美愛ちゃん、どう?」
どのように答えれば正しいのか? 社長は嫌がっているみたいだし、副社長は私にやらせる気満々だし。でも仕事帰りに毎日それをするのはさすがにキツい。その後帰宅すると遅くなるし、きっと疲れてしまうと思う。しばらく考えたけれど……
「毎日仕事帰りでは時間的に無理なので」
断ろうとした瞬間、意外なことを提案された。
「そうだね、雅のところで料理をしてから自分の家に帰ると遅くなって危ないし。だったらさ、雅と同居しちゃえば? そうすれば時間もかからないし」
「大和、何を言っているんだよ?」
社長が声を荒げた。
「あの副社長、おかずをたくさん持ってきたので、よろしければ」
「えっ、マジ? ありがとう!」
目の前の二人のイケメン御曹司が、黙々とおにぎりとお稲荷さんを頬張っている姿は、何とも可愛らしい。
食後には、さっぱりとした胃に優しいレモングラスのハーブティーとともに、プチシューと洋梨をいただく。
一息ついた社長にお礼を言われた。
「花村さん、昨日のサンドイッチもありがとう。久しぶりにちゃんとした食事にありつけた。どれも美味しかった」
「お口に合ってよかったです」
「美愛ちゃん、これを全部作ったの?」
副社長はプチシューをつまみながら聞いてきた。
「はい、でも晩ごはんの残りもあるので、すべて今朝作ったわけではありません」
「それでもすごいね。僕、感心したよ」
「花村さんはいつ料理を覚えたの?」
ハーブティーのカップをローテーブルに置きながら、社長が尋ねる。
「手伝い始めたのは小学校の頃からです。母は各国のレディースクリニックで働いていたため、シッターさんと一緒に夕食を作っていました」
「あっ、いいアイデアを思いついた! 美愛ちゃんさ、雅のところで料理を作ってくれない?」
「は?」
「えっ?」
唖然としている私と社長をよそに、副社長は話を続ける。
「こいつの所で料理をしていたおばあちゃんが、年齢のために辞めてしまったんだよね。それに、忙しいと雅は食べなくなってしまうし。仕事帰りはどう?」
「おい、大和。花村さんにも都合があるだろう。無理に押し付けるな」
「でも、おばあちゃん以降、何人断ったの? 美愛ちゃん以外にはもういないと思うよ」
「お前はすぐにそうやって」
「ね、美愛ちゃん、どう?」
どのように答えれば正しいのか? 社長は嫌がっているみたいだし、副社長は私にやらせる気満々だし。でも仕事帰りに毎日それをするのはさすがにキツい。その後帰宅すると遅くなるし、きっと疲れてしまうと思う。しばらく考えたけれど……
「毎日仕事帰りでは時間的に無理なので」
断ろうとした瞬間、意外なことを提案された。
「そうだね、雅のところで料理をしてから自分の家に帰ると遅くなって危ないし。だったらさ、雅と同居しちゃえば? そうすれば時間もかからないし」
「大和、何を言っているんだよ?」
社長が声を荒げた。



