「私はこの会社が、みなさんのことが大好きです。ここで働き始めてから、自分に少し自信が持てるようになりました。私でも役に立てるんだと感じて。副社長、私を採用してくださってありがとうございます」
その言葉を聞いて、彼は不思議そうな顔をした。
「『私でも』って、何を言っているの、美愛ちゃん? 君はとても優秀な秘書だよ。今まで雅についてきた誰よりも。あっ、僕以外の話だけど!」
にっこりと笑いながらウインクする。
「僕は思うんだ。美愛ちゃんと雅、BON BONって切っても切れない縁があるって。そういえば、突然だけど、美愛ちゃんはご両親のことを何と呼んでいるの? パパとかママとか?」
「えっと、英語では、うちは姉たちもDadとMomです」
「じゃあ、日本語は?」
「と、父さまと母さまです」
副社長は何も言わずにじっと私を見つめている。
あっ、以前にも同じようなことがあった。
確か面接中に。あの時はキャラメルのことを言ったんだっけ? 何か探りを入れられている感じ。変なことを言っちゃったのかな?
「もしかして、お姉さんは姉さま?」
「小さい頃はそう呼んでいました。今は名前ですが」
「あのさ、僕のことを大和兄さまって呼んでくれない?」
「は、はい?」
「僕ね、確信した。美愛ちゃんとは長い付き合いになると思うから、今から練習しておこう! さあ、呼んでみて」
目を輝かせている彼に、なぜか拒むこともできず、私はささやいた。
「や、大和兄さま」
副社長は、うんうんと満足そうにうなずいていた。
その言葉を聞いて、彼は不思議そうな顔をした。
「『私でも』って、何を言っているの、美愛ちゃん? 君はとても優秀な秘書だよ。今まで雅についてきた誰よりも。あっ、僕以外の話だけど!」
にっこりと笑いながらウインクする。
「僕は思うんだ。美愛ちゃんと雅、BON BONって切っても切れない縁があるって。そういえば、突然だけど、美愛ちゃんはご両親のことを何と呼んでいるの? パパとかママとか?」
「えっと、英語では、うちは姉たちもDadとMomです」
「じゃあ、日本語は?」
「と、父さまと母さまです」
副社長は何も言わずにじっと私を見つめている。
あっ、以前にも同じようなことがあった。
確か面接中に。あの時はキャラメルのことを言ったんだっけ? 何か探りを入れられている感じ。変なことを言っちゃったのかな?
「もしかして、お姉さんは姉さま?」
「小さい頃はそう呼んでいました。今は名前ですが」
「あのさ、僕のことを大和兄さまって呼んでくれない?」
「は、はい?」
「僕ね、確信した。美愛ちゃんとは長い付き合いになると思うから、今から練習しておこう! さあ、呼んでみて」
目を輝かせている彼に、なぜか拒むこともできず、私はささやいた。
「や、大和兄さま」
副社長は、うんうんと満足そうにうなずいていた。



