お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜

産婦人科医の母、久美子(くみこ)は、これを機に地元のコミュニティに貢献することを決意。そして下町に『花村レディースクリニック』を開業した。




6歳年上の姉、圭衣(けい)は大学卒業後、アメリカで自らのブランド『Cool Beauty』を立ち上げた。

『Cool Beauty』は20代から30代の働く女性をターゲットにしたブランドだ。プチプラよりは少し高めだが、洗練されたデザインの中に可愛らしさもあり、日本でも人気がある。

もう一人の姉、葉子(ようこ)は、私が6歳の時に養女として家族になった。ようちゃんは私と同じ学年で、現在23歳。今は圭衣ちゃんと一緒にアメリカで働いている。

ようちゃんとは、実家の近所でよく一緒に遊んでいた。

彼女の生みの親たちは、ようちゃんの世話をほとんどしていなかったらしい。

普段あまりわがままを言わない私が、ある日、両親に頼んだそうだ。

「ようちゃんをうちの子にして」と。

もともと両親は男の子の養子縁組を考えていたらしい。

そんなこともあって、私たち姉妹と仲が良く、すでに我が家にも馴染んでいたようちゃんを、養女として迎えることにした。

悲しいことに、ようちゃんの生みの両親は、ほとんど躊躇することなく彼女を手放したという。

ようちゃんは圭衣ちゃんと母さまに似ている部分が多い。

でも私たちは、まるで双子のように育った。彼女は私の姉であり、そして親友でもある。




母さまと姉たちは、いわゆる和風美人。切れ長の二重の目に、小さな口。すっと通った鼻筋に、美しい黒髪。

そして三人とも、仕事ができるバリバリのキャリアウーマンだ。

私の憧れの存在。

私はどちらかというと、父さまに似ているのかもしれない。

父さまから受け継いだ緑色と、母さまから受け継いだ茶色が混ざり合ったヘーゼルアイ。光の加減によって、緑にも茶色にも、時には紫にも見える。

髪は父さまと同じダークブラウンで、ゆるやかなウェーブがかかっている。

身長は155センチ。高身長の父さまの血は、どうやら私にはあまり届かなかったらしい。

笑うとエクボができるせいか、実年齢より幼く見られることが多い。




末っ子のせいか、家族はみんな私に過保護だ。十分に愛されていると感じているし、私もみんなのことが大好き。

それでも--

「このままではいけない」

「自立しないと」

そう思い立ち、翻訳の仕事を始めると同時に一人暮らしも始めた。

ようちゃん以外の三人は反対したが、最終的には私の意見を尊重してくれた。

家族の中で唯一の落ちこぼれである私が、
あの約束を果たすことなんて--
本当にできるのだろうか?