お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜

「私はここで働き始めてから、自分に少し自信が持てるようになりました」


家族の中で落ちこぼれだった私が、役に立てている。そう実感できて、目頭が、じんわりと熱くなる。


「副社長、採用してくださってありがとうございます」


その言葉を聞いて、副社長は不思議そうに首をかしげた。


「何を言っているの、美愛ちゃん? 君はとても優秀な秘書だよ。今まで雅についてきた誰よりも」


にっこりと笑いながらウインクする。


「僕は思うんだ。美愛ちゃんと雅と『Bon Bon』って、切っても切れない縁があるって」

コーヒーを一口飲み、さらに続ける。


「そういえば、突然だけどーー美愛ちゃんはご両親のことを何と呼んでいるの? パパとかママとか?」

「えっと、英語では姉たちもDadとMomです」

「じゃあ、日本語は?」

「と、父さまと母さまです」


副社長は何も言わず、じっと私を見つめている。

あっ、以前にも同じようなことがあった。確か面接中に。あの時はキャラメルのことを言ったんだっけ。何か探られてるような感じ。変なことを言ってしまったのだろうか。


「もしかして、お姉さんは姉さま?」

「小さい頃はそう呼んでいました。今は名前ですが」

「あのさ、僕のことを大和兄さまって呼んでくれない?」

「は、はい?」

「僕ね、確信したんだ。美愛ちゃんとは長い付き合いになると思うから、今から練習しておこう! さあ、呼んでみて」


え、練習って?

目を輝かせる彼に、なぜか拒むこともできず、私はそっと呟いた。


「や、大和兄さま」


副社長は、うんうんと満足そうにうなずいている。