「み、雅さん、すごいです! これ……すごいです」
目を大きくしたまま、美愛ちゃんがさらに続けた。
「お口の中が、桃の滝でいっぱいになりました!」
嬉しそうに顔をほころばせる彼女を見て、誘った甲斐があったと思った。
「あはは、そうか。俺も食べてみないと」
あれ、この子、本当に笑うとエクボができるんだ。
その後、ゆったりと何気ない会話を楽しみながら、気づけば全種類を制覇した。
最後はお勧めのコーヒーでくつろいでいると、突然ドアがノックされた。入ってきたのは、九条仁だった。
高身長で、チャコールグレーのスーツを着こなす仁。上品で華やかな顔立ちだが、裏では口が悪い。まあ、そこが人間味があっていい。
どうやら今シーズンの感想を聞きに来たようだ。
「よっ、どうだった?」
「全部美味しかったよ。特に丸ごとの桃が良かった」
そう言って、桃を気に入っていた美愛ちゃんを笑顔で見た。
「そう言ってもらえて嬉しいよ。ところで、こちらのお嬢さんは?」
「紹介するよ。うちに来てくれた新しい秘書の花村さん」
美愛ちゃんはスッと席を立ち、緊張しながら挨拶をする。
「は、は、はじめまして。花村美愛と申します」
「はじめまして。『ホテル9(クー)』のオーナーで、コイツの親友の一人、九条仁です。ゆっくりしていって」
「ありがとうございます」
仁は俺の隣の空いた席に腰を下ろし、世間話を始めた。俺たちの邪魔をしないよう、美愛ちゃんは少しぼんやりしながら窓の外を眺めている。先ほどの余韻に浸っているようだった。
そんな彼女から、突然独り言が漏れ始めた。
「あ〜、おいしかったなぁ。全部美味しかったけど、イチオシは桃ちゃんだねぇ」
俺たちは黙って彼女を見つめる。
「もうお腹いっぱい。これ以上食べたら死んじゃうよ。でも美味しかったから……死んじゃってもいいかなぁ?」
彼女はそう呟きながら、ゆっくりとカップを持ち上げた。
「う〜ん、やっぱりまだ死にたくないや。来年もまた桃ちゃんに会いたいから、まだ生きていよう」
デカフェコーヒーを一口飲み、軽くため息をもらす。
「はぁ、夢の国へ行った時と同じくらい幸せ。私のお腹も幸せって言ってるし……」
目を大きくしたまま、美愛ちゃんがさらに続けた。
「お口の中が、桃の滝でいっぱいになりました!」
嬉しそうに顔をほころばせる彼女を見て、誘った甲斐があったと思った。
「あはは、そうか。俺も食べてみないと」
あれ、この子、本当に笑うとエクボができるんだ。
その後、ゆったりと何気ない会話を楽しみながら、気づけば全種類を制覇した。
最後はお勧めのコーヒーでくつろいでいると、突然ドアがノックされた。入ってきたのは、九条仁だった。
高身長で、チャコールグレーのスーツを着こなす仁。上品で華やかな顔立ちだが、裏では口が悪い。まあ、そこが人間味があっていい。
どうやら今シーズンの感想を聞きに来たようだ。
「よっ、どうだった?」
「全部美味しかったよ。特に丸ごとの桃が良かった」
そう言って、桃を気に入っていた美愛ちゃんを笑顔で見た。
「そう言ってもらえて嬉しいよ。ところで、こちらのお嬢さんは?」
「紹介するよ。うちに来てくれた新しい秘書の花村さん」
美愛ちゃんはスッと席を立ち、緊張しながら挨拶をする。
「は、は、はじめまして。花村美愛と申します」
「はじめまして。『ホテル9(クー)』のオーナーで、コイツの親友の一人、九条仁です。ゆっくりしていって」
「ありがとうございます」
仁は俺の隣の空いた席に腰を下ろし、世間話を始めた。俺たちの邪魔をしないよう、美愛ちゃんは少しぼんやりしながら窓の外を眺めている。先ほどの余韻に浸っているようだった。
そんな彼女から、突然独り言が漏れ始めた。
「あ〜、おいしかったなぁ。全部美味しかったけど、イチオシは桃ちゃんだねぇ」
俺たちは黙って彼女を見つめる。
「もうお腹いっぱい。これ以上食べたら死んじゃうよ。でも美味しかったから……死んじゃってもいいかなぁ?」
彼女はそう呟きながら、ゆっくりとカップを持ち上げた。
「う〜ん、やっぱりまだ死にたくないや。来年もまた桃ちゃんに会いたいから、まだ生きていよう」
デカフェコーヒーを一口飲み、軽くため息をもらす。
「はぁ、夢の国へ行った時と同じくらい幸せ。私のお腹も幸せって言ってるし……」



