予定していた3時よりも早く終わった二人は、エレベーターホールに向かった。
「助かったよ、ありがとう。この後はどうするの?」
「このまま帰ろうかと思っています」
少し間が空いて、雅が尋ねる。
「あのさ……ケーキの食べ放題、一緒に行かない?」
「えっ、ケーキの食べ放題……社長が?」
誘うのに少し緊張している雅はバツが悪そうにし、そっと右手を頭の後ろに添え、はにかんだように続ける。
「さっきも言ったけれど、甘いものが大好きなんだよね。それに、友人からホテル9
(クー)の個室ケーキ食べ放題のチケットをもらって。その予約が今日なんだ。こんなオジサンと一緒で申し訳ないんだけど、もしよければ、行かないか?」
ホテル9(クー)のケーキ食べ放題は、女性に大人気で予約が取りづらいことで知られている。
美愛は思わず想像してしまう。
(ラグジュアリーホテルであるため、料金は高めだし、その上、個室でなんて! 夢のようなひと時をすごせる)
一度は行ってみたいと憧れている美愛。
「ぜ、ぜひご一緒させてください! 社長は筋金入りの甘党なんですね。甘党仲間が増えて嬉しいです。あっ、社長はオジサンではありませんよ。社長がオジサンなら、うちの父はオッチャンということになりますね?」
首を少し傾げてしみじみと言う美愛に、雅の緊張感も解けて思わず吹き出してしまった。
「ぷっ、ククク……じゃあ、行こうか」
地下駐車場に向かい、雅は助手席のドアを開けた。
車に乗り込む瞬間、美愛の心にある思いがよぎる。
(もし社長に彼女さんがいたら……私が一緒に行くべきではないよね? 助手席に座るのもまずいよね?)
「どうぞ、花村さん」
「あ、あの。本当に私がご一緒してもよろしいのでしょうか?」
「どうしてダメなの?」
意味がわからず、雅は聞き返した。
「社長の彼女さんに申し訳ありません」
「あはは〜、そんなことを気にしていたの? 彼女も恋人も許婚も婚約者も妻もいないから、気にしなくていいよ」
「あ、はい。では、遠慮なく」
安心して車に乗り込み、2人はケーキ食べ放題があるホテル9(クー)へ向かった。
「助かったよ、ありがとう。この後はどうするの?」
「このまま帰ろうかと思っています」
少し間が空いて、雅が尋ねる。
「あのさ……ケーキの食べ放題、一緒に行かない?」
「えっ、ケーキの食べ放題……社長が?」
誘うのに少し緊張している雅はバツが悪そうにし、そっと右手を頭の後ろに添え、はにかんだように続ける。
「さっきも言ったけれど、甘いものが大好きなんだよね。それに、友人からホテル9
(クー)の個室ケーキ食べ放題のチケットをもらって。その予約が今日なんだ。こんなオジサンと一緒で申し訳ないんだけど、もしよければ、行かないか?」
ホテル9(クー)のケーキ食べ放題は、女性に大人気で予約が取りづらいことで知られている。
美愛は思わず想像してしまう。
(ラグジュアリーホテルであるため、料金は高めだし、その上、個室でなんて! 夢のようなひと時をすごせる)
一度は行ってみたいと憧れている美愛。
「ぜ、ぜひご一緒させてください! 社長は筋金入りの甘党なんですね。甘党仲間が増えて嬉しいです。あっ、社長はオジサンではありませんよ。社長がオジサンなら、うちの父はオッチャンということになりますね?」
首を少し傾げてしみじみと言う美愛に、雅の緊張感も解けて思わず吹き出してしまった。
「ぷっ、ククク……じゃあ、行こうか」
地下駐車場に向かい、雅は助手席のドアを開けた。
車に乗り込む瞬間、美愛の心にある思いがよぎる。
(もし社長に彼女さんがいたら……私が一緒に行くべきではないよね? 助手席に座るのもまずいよね?)
「どうぞ、花村さん」
「あ、あの。本当に私がご一緒してもよろしいのでしょうか?」
「どうしてダメなの?」
意味がわからず、雅は聞き返した。
「社長の彼女さんに申し訳ありません」
「あはは〜、そんなことを気にしていたの? 彼女も恋人も許婚も婚約者も妻もいないから、気にしなくていいよ」
「あ、はい。では、遠慮なく」
安心して車に乗り込み、2人はケーキ食べ放題があるホテル9(クー)へ向かった。



