お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜

「嫌な思いをさせてすまなかった」


--えっ……

社長が、謝った?


「彼女は以前から問題があってね」


指先でトントンとデスクを叩いた。


「こちらでも証拠を集めている段階なんだ。まだ十分じゃないが」


小さく息を吐いた。

その音がやけに静かに響く。


「もし佐藤に何かされたり、言われた場合は、できるだけ証拠を残して私に知らせてくれ。どんな小さなことでも。いいかい?」


あれ……?
佐藤さんのこと、よく思っていないんだ。

……ってことは、
ここでまだ仕事していいってこと?

よかった。
入社2日目でクビなんて、シャレにならない。


「わ、わかりました」


砂漠みたいに乾いた喉から、小さく言葉を絞り出す。


「よし、また明日よろしく。今日は残業させてしまって悪かった」

「いいえ、とんでもありません。それでは、失礼いたします」


一礼して、社長室を後にした。

体の力が少し抜け、息がしやすくなった。