お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜

「大丈夫だよ。うちのイケメン部長たちにも、眼中にないような感じだったよ」


確かに、恩師百合先生の推薦だ。それに他の必要項目もクリアしている。


「身元もはっきりしている。真面目だけど、どこか天然なところもある感じ。うちの悪魔の佐藤とは正反対だね」


大和がそう太鼓判を押す。


「容姿のことを言うべきじゃないんですけど、本当に『美しい』って言葉が似合う子でしたね。なんというか……昔話に出てくるお姫様のような」


珍しく杉山が口を挟んだ。


「心配なんですよ。悪魔の佐藤が何かをやらかしそうで。悪魔は社長秘書のポジションを狙っていましたからね」


杉山は眉間にしわを寄せた。他の部長たちも同調するように頷いた。

この時点でブレーン8のメンバーの中で、新しい社長秘書のニックネームが『姫』となったことは言うまでもない。




社長室に戻ると、大和から花村美愛についてさらに詳しい報告を受ける。


「大和から見て、彼女はどうだった?」

「22歳で若いけど、秘書業務は問題なくこなせると思う」


大和は話しながら、椅子に腰掛けた。


「素直で少し自信がなさそうな女の子、という印象。結婚相手を探しに来たという感じは全くないな。玉の輿狙いの女性って、見ればわかるでしょう? それがないんだよね」

「なぜ自信がないと感じた?」

「うーん、家族の話になったとき、うつむき始めたんだよね。父親が社長だと、みんな結構誇らしげに話すじゃん? 履歴書を見ると、詳しいことがわかるけれど」

「どんな家族なんだ?」


大和はネクタイを軽く緩めた。