「大丈夫。今回、うちのイケメン部長五人組にも手伝ってもらったおかげで、面接中に次々と入ってきてもらったけれど、まるで眼中にないような感じだった。百合先生が彼女を幼い頃から知っていて、太鼓判を押してくれたし、彼女は五カ国語を話せるよ。仕事としての秘書経験はないけれど、父親の会社で高校生の頃からインターンとして秘書業務をこなしていたし、身元もはっきりしている子だよ。真面目だけど、どこか天然なところもある感じ。うちの悪魔とは正反対だね」
「俺は受付から烏丸先輩の部屋まで案内したんですけれど、佐藤とは大違いでしたよ。本当に『美しい』という表現がふさわしい子でしたね。なんというか……昔話に出てくるお姫様のような。悪魔の佐藤が何かをやらかすかもしれませんよ、彼女に対して。悪魔は社長秘書のポジションを狙っていましたからね」
心配する杉山は、眉間にしわを寄せた。
余談だが、この時点でブレーン8のメンバーの中で、美愛のニックネームが『姫』となったことは言うまでもない。
社長室に戻った雅は、大和から花村美愛についてさらに詳しい報告を受ける。
「大和から見て、彼女はどう思う?」
「歳は22歳で若いけど、秘書業務は問題なくこなせると思う。他のみんなと同じように、うちのやり方に慣れるまで少し時間がかかると思うよ。素直で少し自信がなさそうな女の子って印象。結婚相手を探しに来たという感じは全くないな。僕たちに近づく玉の輿狙いの女性は、見ただけでわかるでしょう? それがないんだよね」
「なぜ自信がないと感じた?」
「うーん、家族の話になったとき、彼女はうつむき始めたんだよね。普通、自分の父親が社長だとみんな結構誇らしげに話すじゃん?でも彼女は僕に最小限の情報しか教えてくれなかったんだ。昨夜送ってもらった履歴書を見ると、詳しいことがわかるけれど」
「どんな家族なんだ?」
大和はネクタイを緩め、椅子に深く腰掛けながら話を続ける。
「俺は受付から烏丸先輩の部屋まで案内したんですけれど、佐藤とは大違いでしたよ。本当に『美しい』という表現がふさわしい子でしたね。なんというか……昔話に出てくるお姫様のような。悪魔の佐藤が何かをやらかすかもしれませんよ、彼女に対して。悪魔は社長秘書のポジションを狙っていましたからね」
心配する杉山は、眉間にしわを寄せた。
余談だが、この時点でブレーン8のメンバーの中で、美愛のニックネームが『姫』となったことは言うまでもない。
社長室に戻った雅は、大和から花村美愛についてさらに詳しい報告を受ける。
「大和から見て、彼女はどう思う?」
「歳は22歳で若いけど、秘書業務は問題なくこなせると思う。他のみんなと同じように、うちのやり方に慣れるまで少し時間がかかると思うよ。素直で少し自信がなさそうな女の子って印象。結婚相手を探しに来たという感じは全くないな。僕たちに近づく玉の輿狙いの女性は、見ただけでわかるでしょう? それがないんだよね」
「なぜ自信がないと感じた?」
「うーん、家族の話になったとき、彼女はうつむき始めたんだよね。普通、自分の父親が社長だとみんな結構誇らしげに話すじゃん?でも彼女は僕に最小限の情報しか教えてくれなかったんだ。昨夜送ってもらった履歴書を見ると、詳しいことがわかるけれど」
「どんな家族なんだ?」
大和はネクタイを緩め、椅子に深く腰掛けながら話を続ける。



