お菓子の国の王子様〜指切りした約束から婚約まで〜花村三姉妹   美愛と雅の物語

「全部、俺のわがままのせいだ。俺のエゴのせい。美愛ちゃんに指輪を送ってから、紹介したかったんだ。みんなに、俺が作った指輪を着けている君を紹介したかった。家族からは早くしろと言われ続けている」


彼女は納得してくれたようだが、まだ何か気になることがあるような気がしてならない。


「まだ聞きたいことがあるでしょう?」

「……」

「何でも答えるから、不安をすべて取り除こう」

「……」


彼女の頭の中では、さまざまな思考が入り混じっているようだ。
 

大丈夫、ゆっくりでいいよ。


「言いにくいこと? 誰かに何か言われたの?」


少し助け舟を出した。


「あ、あ、あのね、あのね……雅さんがいよりさんの香水の香りをつけて帰ってきた時、すごくショックだったの。その上、予定が嘘だってわかって」

「うん、俺が傷つけたことはわかってる。ごめんな」

「あのね、違うの。あっ、もちろん傷ついたけど」


しばらく沈黙していた彼女の顔には、焦りの色が見え、それが諦めの色に変わった。これが葉子ちゃんが言っていたことだ。

それに、彼女自身も以前言っていた。『誰も私がどう思っているのか、決める前に聞いてくれない。何だか自分がどうでもいいように扱われているみたいで、いてもいなくても、どうでもいい存在のように感じる』と。


「ううん、やっぱり何でもない」


諦めた彼女が立ち去ろうとしたので、彼女の腕を掴んで、膝の上に座らせる。


「意思の疎通をしなければ、ずっと不安なままだよ。俺は美愛ちゃんと結婚したい。だから教えてよ、何がそんなに美愛ちゃんを悩ませているのか」


彼女は何度か言葉を発しようとしたが、うまくいかず、最終的には俺の胸に顔を埋めて抱きしめ、声を殺し泣き出した。

彼女の頭上に軽く顎を乗せ、落ち着かせるために背中をさすった。


「ゆっくりでいいから」


君が話せるまで待つよ。
大丈夫だから、君が言いたいことをすべて聞くよ。だから焦らなくていい、ゆっくりで大丈夫だよ。