お菓子の国の王子様〜指切りした約束から婚約まで〜花村三姉妹   美愛と雅の物語

「これは私と雅さんの問題であり、あなたには全く関係ありません。私は西園寺雅さんと結婚するのであって、西園寺家と結婚するわけではありません。もし私の考えが相応しくないものであれば、雅さんはプロポーズしなかったと思います。私が愛し、一生共にしたい人は雅さんであり、彼がたまたま西園寺家の出身であるというだけです。もし彼が西園寺でなくても、私は雅さんと一緒にいます。それと、先ほどの提案ですが、私は水に流すつもりはなく、あなたと仲良くするつもりもありません!」


ふと葉子ちゃんと目が合った。彼女は声を出さずに口でありがとうと伝え、俺は笑顔で頷いた。


よく言ったね、美愛ちゃん……って、えっ?
これって、もう俺と結婚するって言ってくれているんだよね? 嬉しすぎる! よし、ここからは俺が美愛ちゃんを守る。



「俺がこの指輪を完成できたのは、紫道君といより君のおかげだ。感謝している。だが、今日のいより君の美愛ちゃんへの発言には、腹が立って仕方がない。君はなぜ彼女に謝罪したんだ? 悪いと思っているのか? それに、美愛ちゃんはいつも俺を1一の人間として見てくれている。今までの西蓮寺の名声が欲しいだけの女たちと彼女を一緒にするな!」


これに対して、いより君はまたおかしなことを言ってくる。

マジかよ? しつこいよお前!


「で、でも雅、この子と知り合ってそんなに長くないじゃない? 騙されているわよ!」

「お前が何を知っているというんだ? 確かに彼女が俺の秘書になってから、まだ半年も経っていない。だが俺と彼女は15年以上前に出会っており、彼女のおかげで今の俺と会社があるんだよ。これ以上、大切な美愛ちゃんを侮辱するなら、俺は許さない」


いより君は、俺が本気で怒っていたことを、感じたのだろう。それ以降、何も言ってこなかった。

せめて彼が自分の非を認めることができればいいのだが。

紫道君は深々と頭を下げ、再び謝罪した後、いより君を連れて帰った。

本当に残念だ。紫道君のビジネスが、このまま良くない方向に進んでしまうのは。彼は才能があり、人間的にも素晴らしいので、早く彼にとって良い決断ができることを願うばかりだ。

ひと段落し、俺たちもそれぞれ帰ることに。銀座のホテルへ帰る葉子ちゃんを、仁がすかさず送ると言い出した。

ほ〜、そういうことか。どうやら大和だけでなく、仁にも花村という春が訪れたようだ。

車で来ている圭衣ちゃんに、俺達三人は送ってもらった。