お菓子の国の王子様〜指切りした約束から婚約まで〜花村三姉妹   美愛と雅の物語

俺達は会議室に向かう途中で、紫道君といより君と合流した。
圭衣ちゃんがいるせいか、いより君がいつもより大人しく感じる。
 
圭衣ちゃんに葉子ちゃんからホテルに着いたというメッセージがあり、仁が二人を迎えに行く。

会議室に着くと、俺と紫道君、いより君が一緒に座り、花村姉妹がその前に着く予定。圭衣ちゃんは、いより君から目を離さない。もし彼が少しでも美愛ちゃんを攻撃するようなことがあれば、圭衣ちゃんは彼を目で殺すつもりだろう。





仁が葉子ちゃんと美愛ちゃんを連れてきて、話し合いが始まる。数日ぶりに見る彼女は、居心地が悪そうに圭衣ちゃんと葉子ちゃんの間に席をつく。


美愛ちゃん、やはり泣いたんだね。
いつもより目が少し腫れている。


「美愛ちゃん……俺がまた君を傷つけていたなんて、どう謝れば許してもらえるのだろうか?」


俺が初めに彼女に話しかけるが、美愛ちゃんはただ俺を見つめている。でも実際には、俺が見えていないようにも感じる。
 
俺はそんなにも彼女に嫌われてしまったのか?
美愛ちゃんにとって、俺はもう存在しないのと同じなのか?
胸が締め付けられる。

そんな時、いより君が口を開いてしまった。


「ねえ、お嬢ちゃん、私と雅は変な関係じゃないのよ。ただのビジネスなのよ」


余計なことを言うなよ、いより君。しかし、彼はこれで終わりではない。


「ねぇ、ちょっと聞いてるの? 雅と私は何でもないのよ! お嬢ちゃん、あなたが変に話をこじらせているだけなのよ。許してあげなさいよ、雅が可哀想だわ」


黙ってくれ。君が最初にすべきことは、謝罪なんだよ。
ああ、まずいぞ。圭衣ちゃんの目が吊り上がっている。
大和も心配そうに圭衣ちゃんを見つめている。


「やめろ、そんな言い方は。元々はお前の行動が招いたことだぞ。彼女のせいではないだろう?」


紫道君が痺れを切らしたかのように、いより君をたしなめたが、彼が再び口答えをし口論になった。
 

その二人を今にも飛びかかりそうな圭衣ちゃんが睨みつけ、圭衣ちゃんをハラハラしながら見守る大和の姿があった。

仁はみんなの動向を探っている様子。俺が美愛ちゃんに目を向けると、彼女は葉子ちゃんに話しかけていた。そして、圭衣ちゃんに向き合い、何かを伝えている。美愛ちゃんと葉子ちゃんは席を立ち、大和と仁と言葉を交わしながら出て行った。驚愕し、半泣きの圭衣ちゃんに何があったのか尋ねた。


「美愛が『もうドレスは必要ないから。ごめんね』って」


急いで彼女たちを追いかけ、仁も俺に続く。