お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜

「おい、そうじゃないだろう? だから、さっきもみんなに言われただろう? 私のパートナーが大変失礼をし、あなたに不快な思いをさせてしまいました。申し訳ございませんでした」


本来なら問題を起こしたいよりくんがすべきことを、パートナーの紫道くんが誠意を持って謝罪している。

しかしこれでいよりくんが大人しくなるわけはなかった。紫道くんと話している彼女の言葉を遮り、驚くべきことを口にした。


「ねえ、お嬢ちゃん。今までのことは水に流して仲良くしましょうよ。圭衣にまで怒られちゃったんだから。私、雅のことも好きだし。ってか、お嬢ちゃん。これくらいのことで大袈裟にするなんて、西園寺家の嫁としてやっていけないわよ。せっかく西園寺という大きなものが手に入るのに」


おい、何を言っているんだよ。どうして俺の実家が出てくるんだ。

美愛ちゃんがかすかに震えているのがわかった。初めて見る彼女の怒りの表情。怒っていても、彼女は美しかった。

うん、全部こいつにぶちまけてやれ、美愛ちゃん。

俺は彼女が言いたいことを言えるよう、肩を抱き寄せてサポートした。


「美愛ちゃん、いよりくんに思っていることを全部ぶちまけていいよ。我慢する必要はないから」

「雅ったら〜、お嬢ちゃんを甘やかしちゃダメじゃない。この子は本当に西園寺家に相応しいの?」


おい、地獄に落としてやろうか。

何が「西園寺家に相応しい」だ。そんなこと関係ないんだよ。お前こそ、西園寺家を語る資格はない。

美愛ちゃんは、俺にはもったいないくらいの人だ。俺の方こそ、彼女に相応しいかどうか心配なくらいなのに。

言い返そうとした俺を、美愛ちゃんが止めた。