お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜

「語学項目はクリアしているわね。ジョセフの会社で秘書らしいこともしてきた。それに最後の項目も、あなたなら問題ないでしょう」


まあ確かに、これまでどんなイケメンにも興味を示さなかった。だって今でも、初恋のお兄ちゃんのことを思っているから。りりちゃんはそれを知っているのだ。


「だから、私は自信を持って推薦できるわ。美愛、面接を受けてみない?」


先ほど失業したばかりの私にとって、願ってもないお話。

……私に務まるのかな?

でも、今は選ぶ余裕はない。

受けるしかない。


「そ、その話、ぜひお願いしたい!」

「えっ、即決しちゃってもいいの? あなたのことだから、決めるのに最低3日はかかると思っていたわよ」

「あはは。あのね、さっき失業して職探し中。だから、ぜひ面接を受けたいと思っているの。あっ、でもみんなには内緒にしてもらえるかな?」

「あら、そんな事情があったのね。もちろん、あなたの家族には言わないから。早速今から連絡を入れるわ」


えっ、今⁉︎

りりちゃんの行動は早かった。
気づけば、明日の面接が決まっていた。




帰宅して、『BON BON』からメールで送られてきた書類に記入し、返信する。

これで履歴書を持参しなくてもよくなった。

4畳の部屋に備え付けられた幅の薄いクローゼットを開け、明日着るスーツを選ぶ。私の服はすべて圭衣ちゃんの手作りで、洋服代はかからない。


その中からダークグレーのスカートスーツを選び、インナーにはシンプルな白のブラウスを合わせる。

靴とバッグは無難に黒にした。

今更だけれど、不安になってきた。

もし上手くいかなかったら、どうしようか。

りりちゃんの顔に泥を塗ることになってしまう……

無意識のうちに、ベッドの横のサイドテーブルに置いてある丸い箱のフランス製キャラメルを1粒口に含む。

口の中いっぱいに広がる優しい甘さに癒されながら、赤いベルと牛のチャームがついた長めのネックレスを左手でしっかりと握りしめ、祈った。


「あのね、お兄ちゃん。お願い。明日の面接がうまくいきますように」