お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜

この気持ちを紛らわせるために、冷蔵庫にあるアルコールの缶を次々と空けていった。何本飲んだか、もう覚えていない。それでも足りず、コンビニでさらに調達した。

腹は空いていないし、食べたいとも思わない。

酒に溺れるというのは、今の俺の状態を表しているのかもしれない。




土曜日の夜、インターフォンが鳴ったが応答せずに放っておいたところ、誰かが鍵を使って入ってきた。


「雅、いい加減飲むのをやめなよ」


誰だ、俺が飲んでいる缶を取り上げるのは。

--大和だ。隣には、部屋を見回しながら呆れた顔の仁もいた。


「放っておいてくれよ。美愛ちゃんが帰ってくる保証なんて、ないんだから」


ふらふらしながら冷蔵庫から新しい缶を取り出し、再び飲み始めた。


「お前、こんなことで明日話し合いができるのかよ? ひでぇ有様だぞ!」


今度は仁に持っていかれそうになった缶を、一気にあおった。


「おいおい、こんな飲み方は良くないよ。明日、美愛ちゃんと話し合いがあるんだろう? 仁が『ホテル9(クー)』の会議室を提供してくれたから、僕と仁も一緒に行くよ。彼女の誤解を解かないと。でもその前に、酔いを醒まさなきゃね」


大和がミネラルウォーターを渡してくれた。一口飲む。


「美愛ちゃんのことになると、周りが見えなくなっちまう。失いたくないんだよ。俺の元に戻ってきてほしい。ずっと俺の側にいてほしい。こんなに愛しているのに、あの子がいなくなったら、俺はどうすればいいんだ?」


リビングの床に体育座りでうなだれていると、肩をポンポンと叩かれ、仁が隣に座った。


「本当にお前は。雅は俺たちの中で成績が一番良くて、行動力も人望もある。それなのに、今のお前を見てみろ! それだけ姫ちゃんのことを愛しているなら、彼女が必要なら、取り戻せばいいんだよ。お前ならできる、俺たちも協力するから」


大和が持ってきてくれた二日酔いに効くドリンクを飲んだ後、どうやらソファーで寝てしまったようだ。