お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜

「こ、これは私と雅さんの問題であり、あなたには全く関係ありません。私は西園寺雅さんと結婚するのであって、西園寺家と結婚するわけではありません。

もし私の考えが相応しくないものであれば、雅さんはプロポーズしなかったと思います。私が愛し一生共にしたい人は雅さんであり、彼がたまたま西園寺家の出身であるというだけです。もし彼が西園寺でなくても、私は雅さんと一緒にいます。

それと、先ほどの提案ですが、私は水に流すつもりはなく、あなたと仲良くするつもりもありません!」


一気にまくし立てたので、しばらく肩で息をした。

言っちゃった……私、言えた。

そんな私を、雅さんが腕の中に閉じ込めてくれた。安心する彼の腕の中で、紅茶のような香りに包まる。その時、ふと思う。

あれ? 
私、雅さんと結婚するようなことを言ってしまったかな。

そんなことを思っていると、ここでようやく雅さんが口を開いた。


「俺がこの指輪を完成できたのは、紫道くんといよりくんのおかげだ。感謝している。だが今日のいよりくんの美愛ちゃんへの発言には、腹が立って仕方がない。君はなぜ彼女に謝罪したんだ? 本当に悪いと思っているのか? 美愛ちゃんはいつも、俺を一人の人間として見てくれている。今までの西園寺の名を欲しがるだけの女たちと彼女を一緒にするな!」

「で、でも雅、この子と知り合って、そんなに長くないじゃない? 騙されてるわよ!」

「お前が何を知っているというんだ? 確かに彼女が俺の秘書になってから、まだ半年も経っていない。だが俺と彼女は15年以上前に出会っており、彼女のおかげで今の俺と会社があるんだよ。これ以上大切な美愛ちゃんを侮辱するなら、俺は許さない」


初めて聞く、地を這うような雅さんの怒鳴り声に驚いた。しかしそれ以上に、私のことを庇ってくれたことが何よりも嬉しかった。

呆然としている「非常識いより」を差し置いて、紫道さんが再び深く頭を下げ、雅さんと私に謝罪した後、いよりさんを連れて出ていった。


「け、圭衣ちゃん、ごめんね。圭衣ちゃんのお友達なのに。で、でも……」


いくら私に非常識な態度をとったとしても、圭衣ちゃんのお友達だ。私のせいで二人の友情にヒビが入ってしまうのでは。


「フッ、よく言ったわ。心配しないで。美愛ちゃんが言ってくれたおかげでスッキリしたわ。実は私、元々紫道と友達だったのよ。以前から、いよりの言動には紫道も手をこまねいていてね。いよりのせいで顧客が離れることもあるし。後は紫道が決めることよ」


圭衣ちゃんは、私とようちゃんをいっぺんに強く抱きしめた。


「も〜、あなたたち大好きだよ。葉子もやっと帰ってこれたし、美愛も無事だったし!」

「く、苦しいよ、圭衣……ってかさ、あんたが私にアメリカの後処理をさせたんでしょうが! まあ、収まるところに収まってよかったよ。んじゃあ、あたしはホテルへ戻るよ。明日から実家でお世話になるけど」


仁さんがようちゃんを送り、圭衣ちゃんが私たち三人をマンションまで送ってくれた。