その後、佐藤敏夫と佐藤麻茉が入ってきた。隣の美愛ちゃんが、少し震えているようだ。俺は彼女の左手に指を絡めて繋ぐ。
「美愛ちゃん、左手で俺と手を繋ごう。俺たちみんなで美愛ちゃんを守るから、ゆっくり呼吸しよう」
初めに佐藤敏夫が謝罪をしたが、真の張本人の佐藤麻茉は、不貞腐れて横を向いている。
せっかくジョセフさんがチャンスを与えてくれたのに。やはり佐藤一家を徹底的に叩き潰そう。
「娘の麻茉さんは、全く反省していないようですね?」
涼介も俺と同じ考えのようだ。
この時、美愛ちゃんは涼介のシベリアよりも冷たい声を聞いて、思わずビクッとした。そうか、彼女は知らないのか。かつて涼介は、『女嫌いの冷酷弁護士』や『冷酷王子』と呼ばれていたことを。
「大丈夫だから」
俺は彼女の手をしっかりと握った。
ここからは涼介の腕の見せどころ。さすが『女嫌いの冷酷弁護士』と呼ばれるだけのことはある。佐藤親子を冷酷にバッサバッサと切り捨てていく。いゃ〜、こいつの友達でよかった! しかし、反省の色が全く見られない佐藤麻茉。その上、カッパおやじが示談を持ちかけてきた。もちろん、涼介がそれを断固として拒否。
もうあんたたちは終わりなんだよ。明日の朝には、全てを失ってしまうんだから。
やっと佐藤一家の件が片付き、美愛ちゃんと一緒にマンションの下にあるスーパー伊乃国屋で夕飯を買い、我が家へ戻ってきた。
昨日の今日で、美愛ちゃんはとても疲れている様子、あまり食欲がなかった。本来であれば、ゆっくりと進めていくべきなのだろう。しかし、今の俺には、そのような余裕は一切ない。
だから、みんなに俺の計画を話して味方につけ、さらにジョセフさん一家の許しを得て、しっかりと外堀を固めた。
疲れている彼女に考える隙を与えず、プロポーズをする。我ながら腹黒いと思う。美愛ちゃんは、俺にこんな黒い一面があることを知らないし、知らせる必要もない。彼女は一生、俺に甘やかされ続ければいいだけ。
さぁ、ここからがクライマックスだ。何があっても、俺は君を一生離さないから。
先にソファーに座っている美愛ちゃんの隣に、
腰を下ろす。
「初めに、昨日のこと。本当に申し訳ない事をした。涼介と同様に、いくら謝罪をしても許されないことも承知だ」
頭を下げている俺を、彼女が止めた。
プロポーズに持ち込む前に、まずは昨日の出来事を片付けなければならない。彼女の心にできてしまった冷たい氷のような負の感情を温めて溶かし、流し出さなければならない。
「美愛ちゃん、左手で俺と手を繋ごう。俺たちみんなで美愛ちゃんを守るから、ゆっくり呼吸しよう」
初めに佐藤敏夫が謝罪をしたが、真の張本人の佐藤麻茉は、不貞腐れて横を向いている。
せっかくジョセフさんがチャンスを与えてくれたのに。やはり佐藤一家を徹底的に叩き潰そう。
「娘の麻茉さんは、全く反省していないようですね?」
涼介も俺と同じ考えのようだ。
この時、美愛ちゃんは涼介のシベリアよりも冷たい声を聞いて、思わずビクッとした。そうか、彼女は知らないのか。かつて涼介は、『女嫌いの冷酷弁護士』や『冷酷王子』と呼ばれていたことを。
「大丈夫だから」
俺は彼女の手をしっかりと握った。
ここからは涼介の腕の見せどころ。さすが『女嫌いの冷酷弁護士』と呼ばれるだけのことはある。佐藤親子を冷酷にバッサバッサと切り捨てていく。いゃ〜、こいつの友達でよかった! しかし、反省の色が全く見られない佐藤麻茉。その上、カッパおやじが示談を持ちかけてきた。もちろん、涼介がそれを断固として拒否。
もうあんたたちは終わりなんだよ。明日の朝には、全てを失ってしまうんだから。
やっと佐藤一家の件が片付き、美愛ちゃんと一緒にマンションの下にあるスーパー伊乃国屋で夕飯を買い、我が家へ戻ってきた。
昨日の今日で、美愛ちゃんはとても疲れている様子、あまり食欲がなかった。本来であれば、ゆっくりと進めていくべきなのだろう。しかし、今の俺には、そのような余裕は一切ない。
だから、みんなに俺の計画を話して味方につけ、さらにジョセフさん一家の許しを得て、しっかりと外堀を固めた。
疲れている彼女に考える隙を与えず、プロポーズをする。我ながら腹黒いと思う。美愛ちゃんは、俺にこんな黒い一面があることを知らないし、知らせる必要もない。彼女は一生、俺に甘やかされ続ければいいだけ。
さぁ、ここからがクライマックスだ。何があっても、俺は君を一生離さないから。
先にソファーに座っている美愛ちゃんの隣に、
腰を下ろす。
「初めに、昨日のこと。本当に申し訳ない事をした。涼介と同様に、いくら謝罪をしても許されないことも承知だ」
頭を下げている俺を、彼女が止めた。
プロポーズに持ち込む前に、まずは昨日の出来事を片付けなければならない。彼女の心にできてしまった冷たい氷のような負の感情を温めて溶かし、流し出さなければならない。



